リウマチ・膠原病内科の特色
当院リウマチ・膠原病内科では、関節リウマチをはじめ、膠原病全般(全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎、ANCA関連血管炎)、脊椎関節炎(乾癬性関節炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎)、リウマチ性多発筋痛症、結晶性関節炎などの自己免疫疾患・炎症性疾患の診療を行っています。
熊谷市および近隣地域では、膠原病内科専門外来を行っている医療機関は限られております。当科では、大学病院より派遣された医師、大学病院で研鑽を積んだ専門医など非常勤医師6名による診療体制を整え、専門的な診療を提供しています。
近年、関節リウマチは高齢発症例の増加がみられており、また発症早期から適切な治療介入を行うことが、その後の身体機能障害(サルコペニア)の予防に重要であることが明らかとなっています。当科では、従来の抗リウマチ薬に加え、生物学的製剤やJAK阻害薬などの分子標的治療薬を積極的に導入し、患者さん一人ひとりの病状や生活背景に応じた治療を行っています。
また、膠原病は長期的な経過観察が必要な疾患であり、大学病院などで急性期治療や入院加療を受けられた患者さんの、その後の地域での継続診療・維持管理も重要です。当科では、そのような患者さんの長期フォローアップにも力を入れています。
一方で、当科は非常勤医師による診療体制を含むため、膠原病に対する入院加療は行っておりません。重症例や入院治療が必要な場合には、大学病院など高次医療機関と連携しながら診療を行っています。
膠原病・リウマチ疾患は、皮膚科、呼吸器内科、腎臓内科、眼科、整形外科など、多診療科との連携が必要となることも少なくありません。総合病院である当院では、院内で各診療科と円滑に連携できることが大きな特徴であり、全身疾患としての膠原病診療において重要な役割を果たしています。
外来受診・ご紹介について
当科では、患者さんの待ち時間短縮および円滑な診療のため、医療機関からご紹介いただく際には、可能な限り事前予約をお願いしております。紹介先の疾患分類が明確でない場合(関節リウマチ、脊椎関節炎、乾癬性関節炎、各種膠原病など)、どの医師に紹介すべきか迷われる際には、まず地域医療連携室へご相談ください。
また、当院では「2人主治医制」を推奨しております。膠原病・リウマチ疾患の専門的治療は当科で行いながら、生活習慣病管理や感冒などの日常診療につきましては、地域のかかりつけ医の先生方にご協力いただき、連携診療を進めております。
ご紹介に際してのお願い
関節リウマチや膠原病の診断には、症状・身体所見・検査結果を総合的に評価することが重要です。血液検査のみで直ちに膠原病が疑われるわけではなく、健常者でも一定頻度で自己抗体陽性を認めることがあります。
そのため、以下のようなケースにつきましては、原則として直ちに専門外来受診を要するものではなく、症状経過を含めた経過観察をご検討ください。
- 関節症状を伴わないリウマトイド因子(RF)陽性
- 低力価(40倍以下)の抗核抗体(ANA)陽性のみで、膠原病を示唆する症状が乏しい場合
- 軽度炎症反応上昇のみで、関節腫脹や持続する炎症症状を認めない場合
一方で、
- 朝のこわばりが持続する
- 関節腫脹を伴う
- 数週間以上持続する多関節痛がある
- 炎症反応上昇を伴う関節症状がある
など、炎症性関節疾患を疑う症状がある場合には、早期診断・早期治療介入が重要となります。
関節リウマチでは、発症早期に適切な治療を開始することで予後改善が期待できる「Window of opportunity(治療機会の窓)」の概念が知られています。ただし、多くの症例では数日以内の緊急受診を要するわけではなく、通常の事前予約外来で十分対応可能です。緊急性の高い症例につきましては、地域医療連携室を通じてご相談ください。
