外来化学療法室について
外来化学療法室は通院しながら安全に治療を受けることができる専用の部屋です。外来通院で治療を行うことにより、日常生活への影響を最小限にして治療を継続することができます。治療を続けながら自分らしく過ごせるよう、スタッフ一同でサポートします。
当院は、リクライニングチェア11床、ベッド1床の計12床で予約制となっており、外来化学療法の専任看護師や、がん関連の資格を有する専門・認定薬剤師が勤務しています。
抗がん剤の副作用は、患者さんのQOL(生活の質)に影響を及ぼす可能性があります。例えば、仕事や趣味などで手先を使う方は、手足にしびれが発現する抗がん剤を使うことを考慮したり、使用する場合は注意深い観察や聞き取りを心がけています。たくさんの抗がん剤の中からその人に合ったものを選択できるようサポートするとともに、支持療法として吐き気止めや塗り薬などを積極的に使用し、患者さんの副作用軽減に努めます。また、近年では免疫チェックポイント阻害薬といわれる抗がん剤も登場しており、自宅で生じた副作用に対して早めに気付くことが重要といわれています。当院では副作用や心配事などの相談ができる電話相談窓口を開設しています。
外来化学療法室での支援体制
看護師による看護支援体制
はじめて治療を受けられる患者さんやご家族の方には、外来化学療法室の見学とオリエンテーションを事前に行っています。オリエンテーションの際には、以下に添付している「化学療法を受けられる方へ」というパンフレットを用いて説明を行います。
ご自宅での日常生活を送る上で心がけていただきたい点や留意点、アドバイスを行っています。アピアランス(外見の変化に対する)ケアも行っておりますので、気軽に看護師にお声かけください。
点滴を受けるリクライニングチェアにはそれぞれにテレビが設置されており、視聴される方はイヤホンのご用意をお願いします。室内では軽食の飲食が可能となっています。
薬剤師による診察前面談の実施
はじめて治療を受けられる患者さんやご家族の方には、製薬企業が作成している抗がん剤のパンフレットを用いて、薬剤師から事前に治療スケジュールや副作用説明を行っています。治療開始後は、医師の診察前に薬剤師面談を行い、副作用の確認や支持療法薬(副作用対策で使用する吐き気止め、塗り薬など)の提案を行います。
がん薬物治療実施の当日の流れ
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①中央処置室で採血をします
抗がん剤治療を実施する前に採血を行います。
尿検査、レントゲン等の検査がある場合もあります。
※8:00から病院の案内開始になります。 -
②外来化学療法室で問診をとります
問診票を記入したのち、看護師によるバイタルチェック(検温、血圧測定など)を実施します。
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③薬剤師の面談を行います
問診票を参考に、副作用の発現状況の確認、支持療法の提案などを行います。
※担当薬剤師によって面談場所が異なります。 -
④医師の診察があります
抗がん剤治療が実施できるか判断します。
※内服抗がん剤のみの場合は処方せんが発行され終了となります。 -
⑤抗がん剤の点滴準備をします
薬剤師が抗がん剤調製を行うため、実際の点滴開始までに30分から1時間程度要します。
※点滴準備時間は、当日の治療内容や受診患者数により異なります。 -
⑥外来化学療法室で抗がん剤の点滴を始めます
点滴中は看護師が定期的に観察に伺います。針を刺している箇所に痛みや腫れ、赤み、違和感などがあった場合は、すぐに看護師にお知らせください。
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⑦ご帰宅
次回の予約を確認し、1階で会計後に帰宅となります。
緊急時の受診や連絡方法について
外来化学療法室で治療を受けられる患者様へ
当院では、具合が悪くなった時・治療後に体調が悪くなった場合に、入院できる体制を整えています。
下記のような症状や緊急の相談がある場合はご連絡をしてください。
- 38℃以上の発熱が解熱剤や抗菌薬を服用しても3日以上持続し解熱しない。
- 体のだるさが強い。
- 全身に発疹が出た。
- 吐き気・嘔吐で食事・水分が摂れない。
- 息苦しい、激しい動悸。
- 水様性の下痢が続いて、下痢止めを使っても治まらない。
- 強い痛みがある。
- 点滴を外したあとの痛みや皮膚の変化、ポート部の針や携帯型ポンプの異常がある。
【平日 08:30~17:00】
各科の医師、外来化学療法室の専任看護師あるいは薬剤師が対応します。
TELの際には「お名前と化学療法を受けていることや症状」などお伝えください。
【夜間 17:00~08:30・土曜日・日曜日・祝日】
当直医、当直看護師が対応します。
TELの際には「お名前と化学療法を受けていることや症状」などをお伝えください。
熊谷総合病院代表TEL:048-521-0065
※実施されている治療内容については委員会にて定期的に評価、審査を行っております。